ファンファーレオルケスト体験会Vol.1楽しかった

ここ数年、散々
「ファンファーレオルケスト好き」
「ファンファーレオルケストやりたい」
と騒いできました。
Twitterではいうまでもなく、ブログにも書いてきました。
洗足音大ファンファーレオルケスト第26回定演
ファンファーレバンドやりたい
VLAMOオープンファンファーレ選手権で演奏されるはずだった曲
ファンファーレオルケストの起源が知りたくて

 

CDを聴き、YouTubeを観、演奏会に行き、「私もいつかやってみたいな」と思いつつ、その夢を叶えるのはきっと難しいだろうと半ばあきらめていました。
今週末、なんとその夢が叶ってしまいました。

 

2月11日、私が所属するブラスバンド「ハッピーペンギンブラス」主催で「ファンファーレオルケスト体験会」が開催されました。英国式ブラスバンドの団体がファンファーレオルケストの体験会をやるという、あまりに柔軟な取り組み。
Twitterでの募集開始から数日でほとんどのパートの枠が埋まるという反響の大きさにも驚きました。

 

今回僭越ながら選曲にも携わりました。
取り上げたのは以下の作品。

  • Melting the Ice / Johan Evenepoel
  • Friendship! / Harrie Janssen
  • De Gaastmar / Carl Wittrock

たぶん日本では馴染みのない曲ばかり。実際に「全部知らない曲だった!」という感想もいただきましたが、よくもこんなよくわからん曲を取り上げる、しかも編成もよくわからん体験会に人が集まるもんだと。ハピペンの人徳…バンド徳…??にいつも感動させられます。(前「ペン徳」って言ったかも)

 

選曲にあたっては、
「体験会にふさわしい演奏時間/グレード(3程度)であること」「出版社や作曲家の偏りがないこと」「ファンファーレオルケストの本場であるオランダ/ベルギーの作曲家の作品が中心であること」「最新の作品と歴史的な作品を織り交ぜること」を意識しました。12曲集めてその中から3曲を指揮者の人誌さんに選んでいただき、結果として21世紀以降の曲ばかりになったりしましたが「これはやるなら次回以降かな」という曲もあったので次回を楽しみにしていただければ。

 

体験会当日は、それはそれは楽しかったです。久しぶりに吹くフレンチホルンに、久しぶりに見るトランペットやサクソフォン、大量のフリューゲルホルン。セッティングから興奮が抑えられませんでした。
合奏が始まってからはずっとにやにやしていたと思います。目の前で繰り広げられるフリューゲルのアンサンブル。左前から聞こえてくるトランペットのトゥッティ。サックスと金管という編成でしか得られない、力強くも繊細なファンファーレ独特のサウンド。何よりホルン吹くの超楽しい。周りからホルンの音が聞こえてくるの楽しい。やっぱり私の本職ホルンだわ。etc…
最初は自分の譜面を追う方に意識が向いていたけれど、ふと周りの音を聴いたとき、まぎれもなく自分がファンファーレオルケストの中にいるんだという実感がわいてきました。あの感情を人は「胸が高鳴る」と呼ぶのだと思います。De Gaastmarを演奏しているとき、よくオランダやベルギーのバンドがInstagramやYouTubeにあげているような練習風景、こじんまりとした体育館のような場所で練習しているところ、そこに自分が加わっているような感覚を覚えました。

 

実際に合奏していたのはほんの2時間程度だったのに、帰ってきても夢心地で、1日合奏していたのではないかと思うぐらいの体験の濃さでした。Twitterを開けば参加者さんの感想の嵐。みんな揃って「楽しかった」「面白い」「もっとやりたかった」「また参加したい」と書いてくれているのが、もう本当に本当に嬉しくて。自分も本当に楽しくて幸せだったけれど、それ以上に参加してくださった皆さんが楽しんでくれたという事実、その感想をいただけることが本当に嬉しくて、ありがたくて。
「選曲が良かった」というお声もいただきました。それは、もう、本当に良かった。一安心。自分が選んだ曲で皆に楽しんでもらえるというのはこの上ない喜びですね。こういうとき、あんまり曲の成り立ちとか、背景とか、気にしないというか、選んだ本人である自分でも気にならなくなってしまうんですね。しっかりリハやって演奏会やるならまた違うのかもしれないけれど、体験会だったら演奏していて楽しい曲が大正義。自分でもいい選曲したなと思いました。これを完全未経験のファンファーレオルケストでできたというのは、ビギナーズラックなのか…何もわからず(前述の条件には沿ったものの)とりあえず聴いていて楽しい曲を選んだから…

 

自分の「やりたい」を拾ってくださった形で企画された今回の体験会だったけれど、私が「やりたい」と思っていたことは、実は他の人もやりたいと思っていたり、興味を持ってくれたり、一緒に楽しんでくれたりするんだ、ということに感動しっぱなしです。丸1日以上経った今でも。参加者の皆様無しでは成り立たない会でした。一緒に演奏してくださった皆様に心から感謝申し上げます。

そして何より、「新しいことや他ではやっていないようなことを始めるのが好きだから」と、私の「ファンファーレオルケストやりたい!!!」という声に反応してくださった、そして今回の体験会を企画してくださった代表のさちえさんには感謝してもしきれません。

 

どうやら早速Vol. 2の開催も検討してくださっているようなので笑、今回参加した方も、今回参加できなかった方も、次回お会いできることを楽しみにしています。「第2弾楽しみ!」「次は何の楽器で参加しようかな」という気の早い声も見かけて嬉しくなっています。

 

今回の演奏を聴いてて、単発の内向きなイベントで完結させるにはあまりにももったいないと思いました。いつかは月一で開催するとか、演奏会をやるとかも実現させたいなあ。やりたい曲もまだまだあるので、どういう形であれ、皆さんがファンファーレで演奏できる機会を長く持続させたいと思っています。

花月こころ

ベルギー近現代音楽が主な狩場。最推しはヴァンデルローストとポール・ジルソン。ブラスバンドでコルネット。

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