古楽も現代音楽もヴァンデルローストで覚えた

久し振りに自宅で飲酒しながら記事を書いています。スペイン産の白ワインです。まずくはないんだけど、なんか味気ない。ワンコインの安ワインだから仕方ないですね。

 

本題は、ええまあ、タイトル通りなんですが。

 

ヴァンデルローストの古楽と言ったら、まず「モンタニャールの詩」を取り上げない訳にはいきません。

「タタターンタターンターンタタターン」というルネサンス舞踊の旋律が頭から離れなくなる、人気曲です。リコーダー四重奏のアイデアは、もうお見事としか言えない。

 

次に分かりやすいのは「ネム・スザート」。こないだの記事でも出てきましたね。16世紀にフランドル地方で活躍していたティールマン・スザートのスタイルを使ったという作品です。
多分「ネム・スザート」がきっかけで、スザートの「ダンサリー」を聴いたのが、ルネサンス音楽を聴くようになるきっかけだったんじゃないかな~。

 

「4つの古い舞曲」も、ルネサンス舞踊スタイルの作品ですね。この曲は割と知られてそう。アンサンブルでも小編成でも対応できるフレキシブル作品です。


グレードが低いながらも第2楽章に変拍子が出てくるので、アンサンブルの基礎練習や対変拍子の免疫を高めるトレーニングにも使えるかと!シンプルだけど好きな曲の1つです。

 

ヴァンデルロースト作品のなかで最初に聴いた現代音楽スタイルの曲は、「ホルンと吹奏楽のためのラプソディ」だったと思います。

「へえーヴァンデルロースト先生ホルンソロの曲書いてるんだ!」なんて気軽な気持ちで聴き始めたら、それまでコンテンポラリーなんて触れてこなかったので「なんじゃこりゃー」ってなりました。

でも大好きなヴァンデルローストのホルン曲なので必死になって聴き込みました。この曲にだいぶ鍛えられたとは思う。
ちなみにワタクシ、ピアノ伴奏版の「ホルンとピアノのためのラプソディ」の楽譜を持っております。吹けないし吹く予定も無いですが。

 

あと、知る人ぞ知るトロンボーン四重奏のための珍曲「化学組曲」とか。青酸カリウム、グリセリン、クロロホルム、エタノールの4楽章で構成されています。何言ってるか分かんないね。とりあえずYouTube観てみて下さいな。


一体何があってこの曲ができたのか…別に理系大学の人が委嘱した訳でも無さそうだし。謎です。

 

比較的最近の曲だと、「ナマセ・ラプソディ」が当てはまりそうですね。現代音楽のムーブメントの1つ、ミニマル・ミュージックを提唱するジョン・アダムスへのオマージュとして書かれた作品です。
この記事を書いている今初めて「ミニマル・ミュージック」を調べました。

 

他にはクラリネット協奏曲とか、リコーダー四重奏「世界大陸」も現代音楽スタイルの作品ですかね。

 

さて、古楽と現代音楽とそれぞれ見てきましたが、ヴァンデルローストは「古楽×現代音楽」がめちゃくちゃ得意なんです。得意というか、多い。

 

例えば、日本の吹奏楽シーンでも一世を風靡した「いにしえの時から」は典型的です。ここでの「いにしえ」とは古代ではなく、中世~フランドル楽派の時代を指しているのだとか。

冒頭のグレゴリオ聖歌の旋律は、まさに「いにしえ」ですね。演奏スタイルはおもいっきりモダン。
「いにしえの時から」が好きだという方、学生さんにも結構多いイメージなのですが、若いうちからこういう(吹くのも聴くのも)難しい曲を聴くの、偉いなあ…と思います。

 

トランペット協奏曲”Concerto per Tromba”の音源ではチェンバロを使っていたり、
テンピースブラスのための「3つのスケッチ」は現代~バロック後期~ルネサンス(ジョバンニ・ガブリエリへのオマージュ)の音楽をなぞっていたり。

リコーダー四重奏と弦楽四重奏による”Contrasto Grosso”では、バロック時代のメジャーな演奏形態「コンチェルト・グロッソ」を意識しながら、曲のスタイルは完全にコンテンポラリーですし。

 

あー、ここまで書いてめっちゃ眠くなった!

普段吹奏楽には親しんでるけど他のクラシック音楽聴かない!ルネサンス?コンテンポラリー?何それ!という方は是非ヴァンデルロースト聴いて!全曲網羅する頃には色んな時代の音楽が分かるようになってますよ~(そもそも全曲網羅が大変か…)。

花月こころ

花月こころ

ベルギー近現代音楽が主な狩場。最推しはヴァンデルローストとポール・ジルソン。ブラスバンドでコルネット。

シェアする

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

コメントする