ヤンさん誕生祭2023

Gelukkige Verjaardag, Jan-san!!
本日3月1日は、作曲家/指揮者ヤン・ヴァンデルローストの67歳のお誕生日です!
昨年はやっとヤンさんの来日が叶いました!!ほぼ丸3年ぶりに(一方的に)再会できて幸せでした。3日後にも会いに行ってきます。いいでしょ。
今年も過去1年のヤンさんの活動・Web露出を、私が観測できた範囲でまとめました。去年だと思ってたのが一昨年のことだったりして記憶力が危ない。
そもそもこのスタイルで誕生日ブログを書くようになったのは2021年3月、来日できないヤンさんがコロナ禍でどんな仕事をしていたか紹介したいな~と思ったところから始まったのですが(2020年を生き抜いてくれて)、ついに3年目になりました。毎年新しい発見があって楽しんでいます。

春季(2022年3月~5月)

“Family Brass” 野外演奏会


Family Brass、読んで字のごとく、メンバーが皆親族の楽団。指揮のヤンさん、妻のベルナデッテさん(サックス)、ヤンさん夫妻の娘息子4人、そのパートナーと子供たち、ヤンさんの兄弟ディルクさん(チューバ)、総勢20名超で活動しています。文字通り大家族。
上の動画はフランデレンのあるキャンプ中に行われたサプライズ演奏のようです。この編曲いいですよね。ヤンさんの書き下ろしなのかしら。
活動自体は昨年12月のクリスマスコンサートから始まってたみたいですが、SNS開設が昨秋~冬頃で気付くのが遅くなりました。


Instagramにメンバー(家族)紹介があって、皆いい顔してて可愛い。アマチュアが多数ですが、ちょいちょいプロがいる。チューバのディルクさんって、あの、「アマゾニア」の解説の中で、ペルーの無医村にいた…っていうあのディルクさんですよね。あなただったか。チューバ吹きだったのか。

ユーフォニアムと吹奏楽のための「セレナータ」初演

ユーフォ吹きのみなさん!!!やっとヴァンデルローストがユーフォ協奏曲書いてくれましたよ!!!
委嘱したのはユーフォニアム奏者の牛上隆司氏。3月11日、佐賀龍谷高校吹奏楽部の定期演奏会で初お披露目され、同月15日におかやま山陽高校吹奏楽部の定期演奏会でも再演されました。
委嘱の経緯については、牛上氏ご本人のコラムで詳しくお話しされています。
牛上隆司のLET’S吹奏楽

佐賀も岡山も遠く、しかも平日公演だったので直接聴きに行くことはできなかったのですが、おかやま山陽高校の演奏会は4月に録画配信を観ることができました(アーカイブ無し)。そのときのツイートで曲の魅力が少しでも伝われば…と思ったのですが細かすぎて伝わらない選手権開催されてる。

楽譜は今日時点で未出版。早くたくさんのユーフォ奏者に演奏してほしいです!

夏季(2022年6月~8月)

VLAMO作曲ワークショップ

2021年にVLAMO(フランデレンアマチュア音楽協会)が開催したファンファーレオルケストの作曲ワークショップが好評を博したようで、2022年は吹奏楽(コンサートバンド)の作曲ワークショップが行われました。講師は今回もヤンさんとケヴィン・ホーベンのコンビ。
Workshop componeren 2022

WMC2022

本当は2021年にあるはずだったWMC(世界音楽コンクール)がコロナを乗り越え帰ってきました!!注目はヤンさんの新作ファンファーレオルケスト作品“The Lords of Masmine”と“Knocking at Heaven’s Gate”の演奏。どちらもWMCの数か月前に初演されていましたが、配信等で広く公開されるのは初めて。しばらく「陽だまり」のような作風の曲が続いていましたが、また、ちょっと…変わってきましたね。あと完全なファンファーレオリジナル作品って多分「オスティナーティ」以来だから、こんなにいっぺんに新作聴けて嬉しい。どちらも楽譜出版済みです。
“The Lords of Masmine”はYouTubeで聴けます。“Knocking at Heaven’s Gate”はまだですね。ヘルダースファンファーレオルケスト~早く~

“Colores” “As The Curtain Closes”公開

こう見ると昨夏は新曲発表ラッシュで下ね。こちらは吹奏楽作品2曲の音源が公開されました。

「コロレス」はスペインの吹奏楽の大会に出るバンドのために書かれたので、編成にチェロが入っています。「チェロが入っています」で済む編成ではないのだけど。フリューゲルホルンくらいはよしとして、ソプラノサックスがオプションじゃなかったり、チェレスタがいたり(こっちはさすがにオプション)します。聴けばわかるんだけど、かなりえぐいです。難しい…いや難しいのはそれはそうなんだけど、それ以外の意味で曲として、こう、かっこいいだけじゃない渋さがあります。最初の方だいぶミニマル(旋律がない)ので最初で聴くのやめないでください。


「幕が閉じるとき」は、昨年聴けたヤンさんの新作の中で、一番、ダントツ一番好きです。さっきのコロレス(グレード6)に比べてグレード3.5だし、なんの派手さも奇怪さもないんですけどメロディが良すぎる。これはほぼ歌です。歌詞あるでしょ。トランペットとホルンがユニゾンでメロディ吹くのが好きすぎる~!!勇ましさ10000%!!!
この曲まだ吹奏楽版しか楽譜ないんですけど、所属団体でやりたいのでファンファーレオルケスト版またはブラスバンド版(この「または」は“∨”)出てほしいんですよ。これは早かれ遅かれ絶対演奏する。

“Hypernikon”ファンファーレ版・ブラスバンド版出版


2019年初演の「ハイパーニコン」というマーチがあるのですが、待望のファンファーレ版・ブラスバンド版の楽譜が出ました。中低音かっこいいから絶対映えると思ってたんですよ!!だけどいざ音源聞いてみたらソプラノコルネット過労死しそう…ごめんね…
YouTubeの音源はめちゃくちゃいいところで切れますが、アルバムでフルバージョンが聴けます。コーリーの演奏ありがたいね。

秋季(2022年9月~11月)

フィルハーモニック・ウインズ大阪生配信

やっっっっっとヤンさんが大阪に戻ってきました。いや~~~3年長かった~~~!!
9月19日(月祝)のフィルハーモニック・ウインズ大阪定期演奏会のために来日してくれたのですが、演奏会を前に配信イベントを開いてくれました(アーカイブ無し)。もちろんヤンさんも通訳同席のもと出演!
リアルタイムでコメントを飛ばせるので、たくさんの視聴者の質問に答えてくれました。「ワクチン4回打ったけど3月に1回コロナ罹っちゃった」とか(こら!!!!)、「あんまりビール好きじゃない、ワイン派、ご飯の時に1~2杯くらい」とか(以前あるインタビュー記事で「ビール好きじゃない」って言ってたので答え合わせできた!!)。私の質問も1個拾ってもらえました。「定演で『エトインテラパクス』やるときナレーションは日本語なの?」という質問に、「日本語ではないけど、当日お楽しみに!」という回答。お楽しみの内容は下に!

フィルハーモニック・ウインズ大阪定期演奏会

やってきました!!コロナ後最初のヤンさん来日公演!!!!!
台風でJRの計画運休があるかも~~と言われる中、中止か?決行か?とかなりギリギリの状態でしたが、結果的時間繰り上げで開催されることになりました。
久しぶりにオオサカンを指揮するヤンさんは本当に楽しそうでした。ウクライナ戦争の終わりが見えない中で演奏した「エトインテラパクス」のナレーションは、しっかりヤンさんの声で聞こえてきました。終わった後の表情が辛かった。ヤンさんにあんな顔させる戦争なんかいらない。

名古屋芸術大学ウィンドオーケストラ演奏会

オオサカン定演の数日後には、ヤンさんが名誉教授を務める名古屋芸術大学ウィンドオーケストラで自作の「ソレムニタス」「ドムス」「モンタニャールの詩」を指揮していました。奇しくも「ドムス」「モンタニャール」の組み合わせはコロナ前の2019年9月、オオサカン定演のプログラムと同じ組み合わせ。
大阪行って、帰って、名古屋行って、はさすがにハードなので自宅から配信を楽しみました。アーカイブ無しかと思ってたら全編残ってるのを見つけた。著作権の関係で埋め込みができない(YouTube上なら見られる)ので下記リンクからどうぞ。
名古屋芸術大学ウィンドオーケストラ第41回定期演奏会ライブストリーミング

セレナータBra版初演

3月に初演された「セレナータ」のブラスバンド版が、VIVID BRASS TOKYOの演奏会で初演されました。
実は当日演奏会には行けなくて、後日配信で聴こうと思っていたのですが気付いたら視聴期限過ぎていました。悲しい。
第24回定期公演|VIVID BRASS TOKYO

PARMA インタビュー

The Inside Story: Jan Van der Roost and INVITING WORLDS
ヤンさんの“Cead Mile Failte”を収録したアルバム“Inviting Worlds”のリリース記念に行われたインタビュー。短いインタビューですが、2個目の質問のエピソードとか、今まで見た記憶がないので面白かったです。
“Cead Mile Failte”は、もとはオーボエ(またはクラリネット)と弦楽四重奏のための曲でしたが、“Inviting Worlds”にはクラリネット独奏と弦楽オーケストラのヴァージョンが収録されています。

結婚40年記念パーティ


ヤン&ベルナデッテ夫妻のご結婚40年記念パーティーにデメイさん夫妻がきてくれた写真。デメイさんとヤンさんが一緒に写ってる写真そんなにないんですが、ここにきて両夫妻の4ショットが見られて感動しました。超いい顔してるじゃん…
ここでもFamily Brassが演奏したみたいなんですが、このデメイさんが編曲書き下ろした“Wedding March”はヤンさんの“Wedding March”という解釈でいいのかな??

冬季(2022年12月~2022年3月)

Roeland Hendrikx Ensembleに新曲提供

Samen met componist Jan Van der Roost gaan wij repeteren aan het nieuwe werk, dat hij speciaal voor ons aan het…

Roeland Hendrikx Ensembleさんの投稿 2022年11月21日月曜日

ベルギーのクラリネット奏者にルーラント・ヘンドリクスという人がいまして。レメンス音楽院で先生やってて、毎月各地でツアーやってたりするイケイケのクラリネット奏者なんですよ。自分のクラリネット五重奏団「ルーラント・ヘンドリクス・アンサンブル」を持っていて、モーツァルトだったり、サンサーンスだったり、あるいはピート・スウェルツの作品なんかをレパートリーにしています。
ヤンさんとヘンドリクス、二人ともレメンス音楽院とのかかわりが深いし、もしこの両名がコラボしたら嬉しいな~とは思ってたんですが、レパートリーとかCDレーベルとか微妙に離れてて難しいだろうなあと期待してなかったんです。その期待してなかったコラボが実現しました。やば。
情報としては上のFacebookの投稿しかなくて、再演予定だったり録音だったりはまだ全然ないのですが、これからの情報に期待します。早く聴きたい。

VLAMO作曲コンクール受賞者発表

Winnaars compositiewedstrijd bekend!|VLAMO
2021年から始まっている(2019年にもあるはずなんだけどなかったことにされてる)VLAMO作曲コンクールの結果発表がありました。2021年はファンファーレオルケスト作品で、2022年は吹奏楽作品。審査員はヤンさん、クラース・コーレンビール(ベルギー)、マルコ・ソマドッシ(イタリア)。
第3部門受賞作品:Horses of the Camargue 作曲:Steven De Baecke
第2部門受賞作品:Bleak Forest 作曲:Andreas Ziegelbäck
佳作:The Ocean Beast 作曲:Pimpanit Karoonyavanich

今年はファンファーレオルケスト作品の募集がすでに始まっています。国籍年齢不問、締め切りは今年10月末。ファンファーレオルケストの作曲に挑戦してみてはいかがでしょうか。募集概要(英語)

Family Brassクリスマスコンサート

Molto Briosoさんの投稿 2022年12月24日土曜日

Famiy Brassのクリスマスコンサートが2daysで開催されました。動画等の公開はないのですが、写真から当日の様子を見られます。ヤンさんがかっこよすぎるので見てほしい。

Sonatina Piccola 公開


数か月前に楽譜が出版されているのを見かけて気になっていたピッコロ独奏作品の演奏動画を、委嘱者のペーテル・ヴェルホイエンさんが投稿してくれました。すごくきれいな曲~
ヴェルホイエンさん、ピッコロ専業奏者として主にEtcetera Recordsからたくさんアルバムを出してらっしゃってて、今回のヤンさんの曲が収録されたアルバムも今年4月に発売されると聞いてものすごく待ち遠しいです。収録作曲家のメンツがいかにもEtcetera Recordsなんですよ…!(細かすぎて伝わらない選手権)
 
今年のヤンさんは早速今週末の大阪音楽大学吹奏楽演奏会で来日してくれて、その後もコロナ前と同じくらい日本に来られたらいいなあと思っています。サイン会みたいな不特定多数に接するイベントも再開できるのでしょうか。またちょっとでもお話できる機会があったらいいですね。

花月こころ

ベルギー近現代音楽が主な狩場。最推しはヴァンデルローストとポール・ジルソン。ブラスバンドでコルネット。

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