お誕生日おめでとう2022

Gelukkige Verjaardag, grote maestro Jan Van der Roost!!
本日3月1日は、作曲家/指揮者ヤン・ヴァンデルローストの66歳のお誕生日です。おめでとうございます!
昨年もヤンさんに直接お会いすることはついぞ叶いませんでしたが、様々な媒体を通してヤンさんの活動を目にすることができたのが嬉しかったです。
今年も過去1年のヤンさんの活動・Web露出を、私が観測できた範囲でまとめていきます。
「ヴァンデルロースト今こんなことやってるんだな~」と眺めていただければ幸いです。

 

春季(2021年3月~5月)

Euprint公式チャンネルでインタビュー動画公開

昨年のお誕生日を前に、合唱曲をメインに扱う出版社“Euprint”の公式YouTubeチャンネルで、ヤンさんのインタビュー動画が公開されていました。英語で近年の声楽作品を紹介しています!

 

フランデレンのクラシック音楽ラジオKlalaに出演

Music Matters viert Jan Van der Roost
65歳のお誕生日を記念して、ヤンさんがKlaraの番組“Music Matters”に出演しました。ギター協奏曲「敬意の協奏曲」第2楽章と「シンフォニエッタ~水都のスケッチ」第2楽章が放送されていました。水都のスケッチはフィルハーモニック・ウインズ大阪の演奏!

 

吹奏楽作品Caleidoscope音源公開

2020年に急逝したベルギーの指揮者ディルク・デカルヴェに捧げられた組曲「万華鏡」(Careidoscope)の作曲家インタビューが出版社Ypressの公式YouTubeチャンネルから、演奏動画がアントウェルペン音楽院の公式チャンネルから公開されました。

インタビューはオランダ語ですが英語字幕がついています。6人の作曲家がデカルヴェとの思い出や自分の楽章に込めた思いについて話しています。


「万華鏡」の演奏は10:35~

 

「万華鏡」については私が参加する同人サークル「吹奏楽見聞録2」にもレビューを掲載しています。よろしければお読みください。
吹奏楽見聞録2-BOOTH

 

VLAMOの会報にアッペルモントとの対談記事が掲載

久しぶりの新曲音源公開&楽譜出版に歓喜!!ルクセンブルグの吹奏楽団の委嘱で書かれたという「ソレムニタス」。5分半ほどの序曲のような作品で、近年の温和で爽やかな作風がここにきてさらに強まっています。重厚というよりはもっと温かく、きらびやか、輝かしいというよりはもっと優しくきらめくようなイメージなんですよね…。どこまで優しく(not易)なっちゃうのこの人の曲は。
 

秋季(2021年9月~11月)

ファンファーレオルケストの作曲ワークショップ

4人ともオランダ語が母語の人なのに英語で話してくれてることにまずびっくり。ブールストゥールさん(またはWASBE)の意向なのでしょうか…。絶対やりづらいだろうに終始英語で進めてくれた心遣いに感謝だし、英語の中で思いっきり“HaFaBra”(吹奏楽、ファンファーレオルケスト、ブラスバンドをまとめたファンファーレ文化圏の略語)を使ったり、“ch”の発音が「フ」に寄ったり、肯定の時に“Yes”でなく“Ja”って言ったりしているのに一々萌えていました(何目線)
トークの合間に3人の作品の演奏動画も挟まれていて、その選曲がどストライク。ただ有名な曲を使うだけでなく、ヤンさんの“I Colori della Gioia”などの近年作も取り上げてくれるのが嬉しかったし、ホーベンさんが自身の重要な作品に「天使の飛ぶところ」を挙げていてわかってるな~と思ったし(だから何目線)ブールストゥールさんからニックさんの“Palindroom”の話題振ってくれるのファンサでしかなかったです、ってここまで書いたけどこれ自分しかわからない怪文書だな。
トークの質問内容が比較的すでにキャリアを重ねた作曲家向けのもので、まだあまりにも若い(1996年生まれの)ニックさんがやや答えづらそうにしていたのが印象的でした。「自身の重要な作品」には先述のVLOFの課題曲「約束の大陸」を挙げ、「まだ初演もされていないけど…」というようなことを言っていたのが辛かったです。今年3月のVLOFでやっと初演される予定なので、あと約2週間、ベルギーの状況が急変しないことを祈るばかりです。ヤンさんの誕生日の記事なのにニックさんのことばかり書いてしまった…

 

VLAMOの作曲コンテスト審査員

VLAMO作曲コンクール受賞者発表

昨年10月末まで作品を募集していたVLAMOのファンファーレオルケスト作曲コンクールの結果が発表されました。
審査員はヤン・ヴァンデルロースト、ベルギーの作曲家トム・ホンデヘム、オランダの作曲家レオン・フリークスの3人。曲のグレードごとに第2部門(中位部門)、第3部門(下位部門)に分かれての開催でした。
それぞれ受賞者は
第2部門:トム・ジフテルマン(Thom Zigterman)
第3部門:ジャン=ピエール・ヘック(Jean-Pierre Haeck)
トム・ジフテルマンはヘルダース・ファンファーレオルケストのEs Bass奏者。指揮者でもあり、すでに作曲家としても活躍している人物です。
ジャン=ピエール・ヘックもベルギーの出版社HAFABRA Musicからすでにいくつもの作品を出版しています。

 

また、“eervolle vermelding”(名誉ある言及)として
フリッツ・ケッセルス(Frits Kessels) – Finta
ステイン・ルールス(Stijn Roels) – Resilience!
ペーテル・レロイ(Peter Leroy) – Mayan Mysteries

が選ばれました。おめでとうございます!

 

吹奏楽新作“Colores”レコーディング

ケヴィン・ホーベンの出版社“Houben Editions”のFacebookアカウントがHal Leonard Europeのレコーディングの様子を投稿していました!ホーベンさんとヤンさんのツーショに歓喜しつつ、写真を拡大すると“Colores Symphonic Variants” “Jan Van der Roost”の文字が!!おそらくHal Leonard Europeの公式YouTubeチャンネルに近々音源が公開されることでしょう…早く!早く聴かせろ!!

 

本当はメッセージ動画の公開とか、もっともっと載せたいものがあったのですが、あまりにも多くなりそうなので自重しました。気になる人は探せ。
2021年は昨年から続くパンデミックの中、ベルギーのアマチュア音楽の活動も制限される中、それでもできることからやっていこう、という動きの強まりは確かにあって、それはヤンさんも、その周囲の出版社や音楽協会も同じであったと思います。向こうの人は知ったこっちゃないかもしれないけれど、彼らの活動はこうやって極東にちゃんと届いていて、できる範囲で活動してくれること、そして発信してくれることに心からありがとうと言いたいです。ヤンさん自身は非常にSNS無精なので、彼と一緒に活動した方々が代わりに発信してくれるのが本当にありがたいです。いつも拝んでます。

 

今年が始まって2か月、コロナだけでなくヨーロッパで戦争も始まってしまって、始まったからと言って私にできることは本当に何もないのですが、ヤンさんが可能な限り平和な生活を続けられて、願わくば今年も精力的に音楽活動をしてほしいなと思っています。
締めは去年と同じことを書きます。遠く離れていてもともに音楽を愛する気持ちに変わりはありませんが、また世界中の音楽愛好家が実際に会って、顔をみて、みんなが一緒に音楽を楽しめる日々が、できるだけ早く戻ってきますように。

花月こころ

ベルギー近現代音楽が主な狩場。最推しはヴァンデルローストとポール・ジルソン。ブラスバンドでコルネット。

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