【感想】ぱんだウインドオーケストラ わくわくブラス! at横浜音祭り2019

わくわくブラス!ポスター

ぱんだウインドオーケストラ
わくわくブラス! at横浜音祭り2019@横浜みなとみらいホール
2019/09/22(日)16:00-18:30
指揮:横山 奏
司会:竹平 晃子
ゲスト指揮:ヤン・ヴァンデルロースト

 

最近、
「自分は全く吹奏楽ファンなんかではなくて、
ただのヴァンデルローストのファンで、ついでに吹奏楽を聴いているだけなのではないだろうか…」
と思うようになってしまいました。

この演奏会は、まさにそんな感じで、
つまり「ヴァンデルローストが来るから」聴きに行ったようなものでした。

ぱんだウインドはずっと気になってはいたけれど、
中々タイミングが合わないのと、川崎がちょっと遠いのもあって、
演奏会に行くのは初めて。

…だということを直前になって気付くくらいの。

 

母親に「大阪行った次の週に横浜のコンサート行くんだ」というと、
「娘の推しがどんな人か見てみたい」と言われたので、
高校1年生以来の母親同行の演奏会でもありました。

 

今回はチケットがコンビニ発券だったので、
しっかりチケットを用意して入場できました。よかった。

 

全席自由席で、会場から少し時間が経っていたのもあり、
真ん中のブロックや通路側の席はほぼ埋まっている状態。
迷いに迷った挙句、「ハープの前」という謎のポジションを確保。

でもこの「ハープの前」席、クラリネット側からバンド全体を眺められて、
指揮者もいいアオリ角度で見えるので、隠れ良席だと思ってます。

 

今回のプログラム

「インディー・ジョーンズ」より「レイダース・マーチ」/J.ウィリアムズ, P.ラヴェンダー編
オーメンズ・オブ・ラブ/和泉宏隆, 真島俊夫編
ももいろクローバーZ「走れ!」/Koji oba・michitomo, 前久保諒編
アルメニアンダンスパート1/A.リード

-20分休憩-

横浜音祭り序曲/J.ヴァンデルロースト(ゲスト指揮)
カンタベリー・コラール/J.ヴァンデルロースト(ゲスト指揮)
交響詩「アルプスの詩」/F.チェザリーニ

-アンコール-
アルセナール/J.ヴァンデルロースト(オルガン付世界初演?)
PANDASTIC!!/前久保諒

 

前半の部

レイダースマーチ

曲名を知らずとも、誰でも知ってる。
よく広告やスーパーの店内で流れる、少し間の抜けた電子音のマーチ。

そんな音ばかりを耳にしていたからか、久しぶりに目の前で、管楽器で奏でられるサウンドを聴くと、
ふっと目の醒めるような気持ちになりました。

「あれ、レイダースマーチって、こんなにかっこよかったっけ。」
そうだ、わたしたち、ジョン・ウィリアムズのような壮大な音楽に憧れてた。

忘れてた昔の感情がどっと蘇ってきて、オープニングから感極まっていた筆者。
ジョン・ウィリアムズはいい。いいぞ。

 

オーメンズ・オブ・ラブ

「宝島」と並んで非常に人気のある、T-SQUARE楽曲の真島アレンジ。
曲間のMCで、司会・竹平氏はサックスとともに登場…?

演奏前の、指揮者・横山氏による曲解説。
「『オーメンズ~』は、『New Sounds in Brass』という、ポップスの吹奏楽アレンジシリーズの1つとして編曲された作品。
楽譜出版当時に大ブームを起こし、当時吹奏楽部員だった指導者が今の子どもたちにも演奏させるなどして、後世に引き継がれている作品です」

そしてサックスとともに登場していた竹平氏、この「オーメンズ~」では、奏者として参加!
「大きいネックレスかと思った」なんてボケを横山氏にかまされていました。
昨年の「わくブラ」で初めてサックスを持って合奏に参加していたそうで、
今年は2年目プレイヤーとして堂々「やったことある」として参加しました。

そしてなんと演奏席はコンマス・上野氏の隣。マジで!?
私だったら緊張して吹けなくなりそうだな…

「オーメンズ~」を聴くのは、生演奏/音源問わずとても久しぶりでしたが、
「やっぱりいい曲だなあ…」という、穏やかな感動に包まれました。
昔好きだった音楽を今も好きでいられる幸せ。純粋に素敵な音楽に憧れるあの気持ちを忘れていない幸せ。
「真島はホルンに手厳しいな…」なんて、吹奏楽部員だったころのようなことを考えるなどしていました。

 

走れ!

ぱんだウインドのテーマソング「PANDASTIC!!」を作曲した前久保氏による吹奏楽アレンジ。
プロバンドの生演奏で、映画音楽でもJフュージョンでもないポップスを聴くことは中々なく、新鮮な気持ち。もしかして初めて…?そんなことはない??

ももクロの楽曲は普段全く聴いてこなかったので、原曲がどんな歌かも分からなかったのですが、アレンジがお洒落だなあ!と感じました。
聴いていて飽きることのないJ-POPアレンジ。

すっごく嫌な書き方をすると
「ももクロのアレンジでこんなに感動するとは思わなかった」。
ごめんなさいJ-POPアレンジのこと舐めくさってた。
原曲と吹奏楽サウンドの良さが生きるアレンジのあることを知れてよかった。

 

アルメニアンダンス パート1

「アルメニアン」では、「やったことある」の参加者は降り番、
ぱんだウインドと「腕自慢」参加者のみでの演奏でした。

演奏前、作品の解説と選曲の理由を問われた横山・上野両氏。
「作曲者のアルフレッド・リードは、その作品の高い芸術性で、吹奏楽界に大きな影響を与えた人物。
クラシックで言えばモーツァルトやベートーヴェンのような役割」
(作曲家名忘れたけどすごく有名な人だった)
「『アルメニアン~』は吹奏楽の古典的作品ですが、最近はそういった曲が忘れられがち。新曲ばかりが注目されるが、その中でアルメニアンダンスのような良い作品を大切にしていきたいという思い」

演奏が始まる直前に
「あ!アルメニアンということは上野さんのソロが聴けるじゃん!!」
と気付き、こっそりと姿勢を正したりするなど…

「アルメニアンダンス パート1」は5つのアルメニア民謡で構成されていますが、
今回のぱんだウインドの演奏では、この民謡の間のつなぎがとても軽やかでスムーズでした。

「アルメニアン~」は筆者も2度演奏したことがあるのですが、
どちらとも、つなぎに”タメ”を作っていたので
「おお、こういう演奏の仕方もあるのか」と、新鮮な気持ちでいました。

あとは、とにかく随所に現れるアルトサックス・上野とイングリッシュホルン・藤本の掛け合いが見事!
超かっこよかった。

プログラム前半はずっとこんな状態で、
「昔楽しんで演奏したり聴いていたりした音楽を、今も楽しめること」
に驚き、喜びを感じていました。

「アマチュアと一緒に演奏する」というプロジェクトにもふさわしい、
とても素晴らしいプログラムでした。

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花月こころ

ベルギー近現代音楽が主な狩場。最推しはヴァンデルローストとポール・ジルソン。ブラスバンドでコルネット。

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