洗足音大ファンファーレオルケスト第26回定演

2018/11/17(土)洗足音大ファンファーレオルケスト 第26回定期演奏会@前田ホール の感想。

ヴァンデルロースト作品紹介(非公式)(@VdR_fan)にツイートしたものをまとめて加筆・修正しました。
今回の定期演奏会は、洗足音大の客員教授・ヴァンデルローストが来日し、指揮を勤めました。
3月の大阪音大、10月のオオサカンに続いて、2018年3回目の来日。改めて書くとすごいことです。
ファンファーレバンドの生演奏鑑賞は今回が初めて。
YouTubeで”I Shall Love but Thee”を観てから、この曲の日本公演を心待ちにしていた筆者。
Twitterで演奏会の告知を見たときは、嬉しくて小躍りしてしまいました。

ホール前には開場前から来場者の列が。
開演時間になり、演奏メンバーがステージへ。目の前に多くのフリューゲルホルンが並ぶと、見慣れぬ光景になんだかソワソワ。
オープニングの「ユビルス!」はブラスバンド編成がオリジナルですが、ウィンド編成でもお馴染みの作品。非常に華やかな演奏で、オープニング映えする曲です。
第1部のメインは、
ケヴィン・ホーベン “The Lost Labyrinth”と、
ヤン・ヴァンデルロースト “I Shall Love but Thee”。
どちらも、とにかくソプラノのお二人の歌声が素晴らしかったです。
陳腐な表現だけど、曲に込められた繊細さや力強さが全部歌声に乗って伝わってきて、耳も視線も惹き付けられました。
“The Lost Labyrinth”の佐藤香菜さんは歌の入りが静かで滑らかで、しかし芯のある歌声。演奏後、何度も何度もお辞儀をしている姿が印象的でした。
“I Shall Love but Thee”の山﨑花香さんは10分間殆ど歌いっぱなしなのに、クライマックスに向けてどんどん迫力を増していく歌声がとても熱かったです!
I Shall Love but TheeではC管トランペットのスタンドプレイも印象的でした。緊張されつつも、最後の音まで精一杯吹ききった姿に心打たれました。とても素敵な音色でした。
第2部は管弦楽からのアレンジ作品が取り上げられていました。個人的にリエンツィ序曲がハイライト。
弦の旋律がとても綺麗な曲なので、どうアレンジされるのか気になっていたのですが、完全にファンファーレオケのハーモニーに落とし込まれていて、聴いていてとても楽しかったです。編曲された滝澤先生、ブラボー!
アンコールは
ベルナルト・ズヴェールス”To my Country”(ヨハン・デメイ編)、
ヤン・ヴァンデルロースト”Mercury”の2曲。
To my Countryは、今回初めて知った作品。
演奏前にヴァンデルロースト氏が短い解説をしてくれたのですが、
「短いシンプルな曲だけど、美しいサウンドです(ニュアンス訳)」
という言葉通り、優しく透き通るような演奏でした。
編曲のデメイ氏の名前を出すとき、My best friendと言っていたような(うろ覚え)。さらっとこういった言葉が聴けるのは素敵ですね。
最後の締めはマーキュリー。指揮者より、「”Arsenal”よりも前に書いた、僕の最初のマーチです」という紹介。
ブラスバンドのことを、余りにも自然に”Kinkan Band”と言うので、スルーしそうになりました。
第2部の演奏が終わったとき、指揮者が編曲の先生お二人への拍手を促してた、とか、I shall~でトランペットソリストの方と握手した後に肩をポンと叩いてた、とかは、さすがヴァンデルロースト。どこまでも紳士的なお方です。
演奏会の翌日、ファンファーレオルケストのTwitterアカウントから、お礼の挨拶のDMが届きました。おそらく演奏会の感想をツイートした来場者の皆さんにも届いているのでしょう。細やかな心配りに感動。こういったことでも「次の演奏会にも行きたい」という思いは強くなりますね。
花月こころ

花月こころ

ベルギー近現代音楽が主な狩場。最推しはヴァンデルローストとポール・ジルソン。ブラスバンドでコルネット。

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