【感想】フィルハーモニック・ウインズ大阪 第27回定期演奏会
フィルハーモニック・ウインズ大阪
第27回定期演奏会@いずみホール
9/16(月・祝)16:00-18:00
指揮 ヤン・ヴァンデルロースト(首席客演指揮者)
テューバ独奏 クリストファー・オルカ(シンシナティ交響楽団首席テューバ奏者)
昨年の第25回定期演奏会以来、オオサカン定演に来るのは3度目です。
昨年3月の大阪音大吹奏楽団定演以来、来阪は4度目です。
約半年に1回ペースで埼玉から大阪に来ています。クレイジーですね。
今回は何と、初めてのnotぼっち参戦!
「焼きたてのりくろーおじさんチーズケーキを食べてみたい」という友人に同行していただきました。
焼きたてチーズケーキ美味しかったです。
開場時間にホールへ向かい、チケットを受け取ろうとしたところ、
チケット代を振り込みはぐっていたことがその場で判明。
予約だけして代金も支払った気になっていたようです。クレカ派が犯しがちな罪。
「え、私、チケット代支払い忘れたりするの!?マジで!あり得ない!」
自責の念に駆られていたところ、何と団員の方がB席2枚を確保してくださり、
その場でお金を支払いました。
オオサカン、慈悲が強い。なんて優しすぎる救済措置。
本当に申し訳ありませんでした。本当にありがとうございました。
今後本当に気を付けます。本当にすみません。
無事に!?入場できたので、終演後のサイン会に備えオルカ氏のCDを購入。
友人に「クロークに荷物預けられるよ」と伝えるのを忘れたため、友人は荷物多めで着席。ごめん。
さて開演時間となり、奏者、コンミス、最後に指揮者、我らがヴァンデルロースト氏の登場!
いやあ今日もカッコいい。
オオサカン定演のB席はとにかくステージが近いのです!普通のアーティストのライブだったら相当良番。
今回のプログラム
祝典序曲「オリンピカ」/J.ヴァンデルロースト
テューバ協奏曲/E.グレグソン(オルカ氏独奏)
–20分休憩–
出発進行!/J.ヴァンデルロースト(創立20周年記念委嘱作品・世界初演)
ドムス/J.ヴァンデルロースト
交響詩「モンタニャールの詩」/J.ヴァンデルロースト
–アンコール–
調子の良い鍛冶屋/G.F.ヘンデル(テューバ独奏版日本初演?)
ハイパーニコン/J.ヴァンデルロースト(日本初演)
祝典序曲「オリンピカ」
1992年、長野市民吹奏楽団により委嘱。当時、既に1998年冬季五輪の長野開催が決定していたため、それにちなんだタイトルを持つ作品。
今回は2020年夏季五輪に合わせて選曲されたそうです。
「祝典序曲」という題の通り、オオサカン20周年記念演奏会の幕開けにふさわしい1曲!
休憩中に書いたオリンピカの感想↓
メモ・オリンピカ 目がマジで足りない、3画面くらい欲しかった 指揮者も見たいしメロディ方向も見たいし伴奏もみたい、同時に目を瞑って音だけ聴いていたい、自分の体に録音録画機能が付いていないのが憎い
— 花月 (@Kokoflo2_M) September 16, 2019
曲とか演奏に関する感想が全くないんですが、曲全体の音色がキラキラキラっ!ぶわーっ!と降ってきて(!?)、ステージ上の楽器の音色それぞれがとてもクリアに聞こえてきて、全部の音を拾ってやろうと、ステージのあちこちをキョロキョロ目で追っかけていました。
たいそう落ち着きのない観客だったと思います。
オリンピカの後に指揮者が奏者を立たせて紹介していたのですが、ジェスチャーだけでなく、パート名や名前を呼んで立たせていたのがとても印象的でした。金管・木管セクションをそれぞれ立たせるとき、「きんかん!!」「もっかん!!」と呼んでいたように聞こえたのだけれど、気のせいでしょうか…
テューバ協奏曲
オルカ氏が小さめイエローラッカーのテューバとともに登場!
しかし席が前過ぎ真ん中過ぎて、オルカさんの顔が譜面台に隠れて全く見えませんでした、無念。
グレグソンのテューバ協奏曲は今回初めて聞いたので、純粋に曲を楽しんでいました。
ウォルトンやヴォーン・ウィリアムズのような近代イギリス風の曲調がグレグソンの作風だそうで、
近代イギリス大好きマンの筆者は大いに喜んでおりました。
まるでユーフォニアムのような伸びやかな高音、ピストンの機動力に目・耳を奪われました。
出発進行!
原題は”Seatbelts Fastened!”。原題だけ事前に告知されていたので「ドライブかな?ジェットコースターかな?」なんて予想していたのですが、航空業界で「出発進行!」とほぼ同じ意味で使われる言葉だそうです。そうかー、空という発想はなかった。
15周年記念作品「オオサカン・ジュビリー」が約15分の作品だったのに対して、
今回は約5分とずいぶんライト。
演奏会の目玉を「モンタニャール再演」に持っていきたかったのかな?という推測をしてみるなど。
曲調は非常にさわやか。「フラッシング・ウインズ」系の(そしてもっと叙情的でない)、さわやかな方のヴァンデルロースト。
スパーク系の湿度低めのポップさ・楽しさがあるように感じました
(スパーク曲のこと湿度低めっていう人)。
ハイハットの刻みがかなりポップス感出してました。今まであまりそういうことしなかったんじゃない?
曲調だけ追っていくとそれほど難しくないように感じるのですが、
プログラムノートにもあったように、変拍子がえぐい!
6月のシエナ委嘱作品”Beating Beats”といい、拍子やリズムで遊ぶのがマイブームなのか…?
(Beating Beats未聴の人、12月発売予定のCD買おうね!!)
「どこでどー変わってるんだろー」と間抜けな顔して楽しんで聴きました。
ドムス
中々日本で、生で聴く機会のない作品なので、今回ひそかに楽しみにしていた1曲。
冒頭と中間でサックスアンサンブルが大活躍するのですが、とても気合の入っているのがひしひしと感じられました。
本当にこのドムスのこのサックスを楽しみにしてたんだ!超カッコよかった!
「オオサカンのドムス」が生で聴けて、おそらく今後CD化もされるのだと思うと本当に嬉しいです。ドムスちゃん良かったね!!(!?)
交響詩「モンタニャールの詩」
オオサカンでは2011年以来、8年ぶりの再演だそうで、今回の目玉演目でした。
この作品に関しては、みんな大好きでたくさん演奏されているし、
何を言っても野暮ったくなりそうですが、
強いて何か言うなら、冒頭のトランペット。あの5音を聴いた瞬間、本当に感動で泣きそうでした。
あんなに人の心を動かす5音、他にありますか!?!?
かの有名なリコーダー四重奏は言うまでもなく、コンクールでカットされがちなダブルリードアンサンブルが本当に大好きで、素晴らしい演奏だったなあ。
モンタニャールのリコーダー四重奏ってプロのリコーダー奏者が吹くわけじゃないから、「頑張れ!頑張れ!」って思いながら聴いてしまうのですが、それもモンタニャールの醍醐味。
クライマックスあたりの長めのホルンソロも本当に良かった。やっぱり泣きそうでした。
曲のフィナーレも近づく頃、指揮に力の入った指揮者が一瞬かがんで、
体の右側からチラと顔が見えたのですが、
目を思いっきり瞑って、歯も食いしばって、本当に力のこもった顔をしていて、ほんっとかっこよかったです。ほんっと。
目に焼き付いて離れないですよ。DVD化してくれないかな。(多分ない)
ヴァンデルロースト氏はメイン曲の演奏後に、客席側を向いて、両手でガッツポーズをしながら親指でバンド側を指しがちなのですが(伝わるか?)、今回もそのポーズが観られました。すごくいい得意気な、満足げな表情をしているんですよね。
調子の良い鍛冶屋
オルカ氏再登場!テューバは少し大きめシルバーメッキのものに変わっていました。
ヴァンデルロースト氏から「今回は彼の初めての来日です。普通はチェンバロで演奏する曲を、大きな楽器(=テューバ)で演奏します、日本で初めて!」という紹介。(記憶と脳内和訳が合っていれば)
「チェンバロ」と聞こえたので、筆者は心の中で「バロックだ!!」と大喜び。
テューバ独奏でヘンデルを聴く機会もレアであれば、ヘンデルを振るヴァンデルローストも誠にレアなので、必死で脳内に焼き付けました。
ハイパーニコン
最初に小話を。
「今回のアンコールの最後は何のマーチをやるでしょうか?」
多分、ほとんどの人はアルセナールって言う。マーキュリーっていう人もちょっといるかも。他の曲名が出てきたらちょっと驚く。
筆者の個人的好みだったらミネルヴァ。次点でアルテミス、ヘリオス、セレモニアルマーチ。
今回の真面目な予想としては「アポロ」でした。オオサカン10周年記念委嘱作品で、綺麗に収まる曲だと思ったので。
誰が、演奏会最後の最後で、新作日本初演が出てくると思います?
(以下、記憶と脳内和訳による不正確な情報の記述)
作曲者曰く、「ハイパーニコン」は今年5月にアメリカで世界初演されたばかりの新作マーチ。
オオサカンは、世界初演後2回目の演奏を務めたことになるんだそうです。
委嘱者が(元?)トロンボーン奏者であることにちなみ、
低音楽器をフィーチャーした、英雄的で力強いマーチ。
本当にトロンボーンやテューバの動きの激しいこと!
曲調は確かに「ヴァンデルローストのマーチ」そのものなのですが、2017年「ドナール」以前と一線を画すというか、
彼の15分越えの大作のラストにありそうなアラ・マルチア(行進曲風)部分を引き抜いてきてそのままマーチにしました!というような
超シンフォニックなマーチだと感じました。本当にかっこよかった!
最後の最後まで感動させられっぱなしです!
これは個人的に気になったことなのですが、指揮者、モンタニャールの後2回目に出てきたときと、アンコール後最後に出てきたとき、バンドに向かって投げキッスしてました。この際だから言うよ。羨ましい。
サイン会
(おそらく)毎回恒例の、会場でのCD購入者対象、ゲストによるサイン会。
「ヴァンデルローストにサインしてもらうCDは自分で持って行って、ソリストにサインしてもらうCDは現地で買う」ことを昨年学んだので、持参した「I Colori della Gioia」と、会場で買った「サミュエル・ジョーンズ作品集」をもって待機列へ。
友人を外で待たせて。
筆者が並んだ時にはサイン会は始まっていたようだけれど、なかなか列が進まない…?
誘導の団員さん曰く「こんなに1人当たりの時間が長かったことはない」というレベルの充実したファンサービスが行われていた模様!
元々緊張していたのに、その言葉で余計に緊張する筆者。
ようやく会場内へ!やべー!心臓が持たない!
最初にヴァンデルロースト氏からサインをいただく。「I Colori~」を見て、
「これは吹奏楽じゃなくて声楽のCDだよね?」「僕のかなり最近のCDだよね?」と、
とても気になっていた様子。
「Of Moon and Sunがお気に入りです」と伝えると、
「この曲を知っているのかい?」と少々驚かれました。
ヴァンデルロースト氏から「~~choir?」と何か尋ねられたのですが、どうしても”choir”しか聞き取れなくて、「合唱でやったの?」というようなことを聞かれた気がしたのですが、
それを否定して違う答えを返せるほど英会話ができないので適当にうなずいてきました。
ヴァンデルロースト氏の中では多分合唱やってることになっています、筆者。(実際は露ほども経験なし)
第2楽章「The Sun」の一節「What is the color of the sun ~♪」を口ずさむと、
喜んでいただけました。
ヴァンデルロースト氏にお礼を言ったのち、オルカ氏にもサインをいただく。
ステージ上では、いかにも「生真面目な米国人」オーラを醸し出していたオルカ氏ですが、サイン会ではかなり気さくでお茶目な印象。
筆者が「あなたの演奏に感動しました!(アヤシイ英語)」と伝えると、
「Oh!そうですか~!(日本語)」と返答してくる余裕っぷり。強いな~!
サインに描かれたテューバのベル部分が「オルカ」の”O”になってます。
誘導の団員さんに写真撮影をお願いしたところ、ヴァンデルロースト氏と写真を撮ることができました。
(オルカ氏とも撮りたかったけれど、時間がかかりそうだったので泣く泣く諦めた…)
撮影後は握手を交わし、「音楽楽しんでね!」とメッセージをいただきました。なんて幸せな時間!
まとめ
サイン会の間、ずっと外で待っていてくれた友人、本当にありがとう。
彼女は中高吹奏楽部の元サックス吹きで、普段は吹奏楽はほぼ聴かないという方なのですが
(ヒロアカが好きで、最近東京佼成のヒロアカコンサートに行ってきたらしい)、とても楽しんでくれたようでした。
彼女的お気に入りは「出発進行!」と「モンタニャールの詩」だったそう。
ヴァンデルロースト氏については「本当に人柄のよさそうなおじいちゃんだね~」と話していました。違うことないな。
こうやって、普段吹奏楽に触れてない友人と聴きに行けたのも新鮮で楽しかったです。
ちなみにオオサカンは、今年12月のミッドウェストクリニック(アメリカ・シカゴ)、ファイナルコンサートでの演奏が決定しています。
現在渡航費や宿泊費の支援を募っているので、オオサカンをもっと応援したい方はぜひご協力を。
はい!今回の感想文は以上です!5400文字超え!なげえ!
お付き合い誠にありがとうございました!
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