【感想】タッド・ウインドシンフォニー第26回定期演奏会
ちょっと時間に余裕ができたのと、感想を書かずにいられなくなったのとで、2か月半ぶりにブログを書きます!お待たせ!(誰も待っていない)
タッドウインドシンフォニー定期演奏会@杉並公会堂 感想
2019/06/14fri 1900-2100
タッドの演奏会に行くのも、これで4度目になりました。去年は演奏会に入場する前にスマートフォンの電源が10%になり、「スマチケ使えなくなる!!入れなくなる!!」と泣きそうになった苦い思い出があるので(なんとか持ってくれました)、今年はちゃんと充電して行きました。
でもスマチケ便利ですよ!なくす心配の無いのが1番良い。
前から2ブロック目の前の方、ステージ中央がよく見える位置に座ります。音が1番よく聴こえる気がする。
開演までプログラムを読んで過ごしていると、後ろの方から日本語じゃない言葉の会話が聞こえてきます。
ある予感がして、期待を持ってチラッとそちらを見ると、1つ後ろの列にチェザリーニが座っていました。めちゃめちゃ近くにチェザリーニ!肌ツヤツヤしてた…
曲目ごとの感想
テイクオフ ヴァインベルガー
Take off/Daniel Weinberger
プログラムによると、ヴァインベルガーは1997年生まれ。 私と同学年じゃないですか。もう同世代の作曲家の作品が演奏される年齢になってしまったのだ。
調べてみると、「テイクオフ」は2013出版。私は高校1年生でした。 15歳頃作曲したってこと?
曲調は爽やか・キラキラ・透明度高、若者が作曲した!って感じなのですが、タッドが演奏するくらいなのでクオリティはとても高い。
オリエント急行・飛行機版みたいなのを勝手に想像していたのですが、決して離陸時の機体の音ではありませんでした。
おもちゃの飛行機で遊ぶ子どもとか、初めて飛行機に乗ったときの感情を彷彿とさせるような、目が輝いちゃうような作品でした。
リシルド序曲 ガブリエルパレス
Richilde Ouverture/Gabriel Pares
予期しなかった運命の出会いでした。吹奏楽オリジナルの、よきクラシックの名曲。筆者の好みドンピシャのロマン派音楽。
タッドのサウンドによくマッチしていて、気付くと目を見開いて聴いていました。
「知る人ぞ知る…」作品なのかな、と思ったけれど、コンクールの定番自由曲だった時代もあるようですね。
そして今でも演奏され続けてる名曲…なるほど…
高山の印象 ヴァンデルロースト
Takayama Impressions/Jan Van der Roost
今回のお目当てその1。
冒頭のピッコロ→ペンタトニックのハーモニーでは「ヴァンデルローストこんな曲書いちゃうんだ…」という感動と困惑と畏敬の念とが入り交じった心境になりました。ピッコロソロは社会の教科書で見る白川郷の風景が浮かぶメロディ…若干間違ったイメージかもしれないですが…
中盤から後半にかけては、段々いつものヴァンデルローストの音楽になっていく安心感でずっとニヤニヤしながら聴いていました。怪しくてごめんなさい。
ホルンのかっこいいところありました。
後半の構成というかハーモニーというか、グロリオーゾ感を強く感じました。最近の作風が固まってきたみたいですね。
去年11月の初演は資格試験があって(直前にKIRINJIのライブと洗足ファンファーレの演奏会があったのもあって)自重してしまったのですが、こんな素敵な作品なら聴きに行けば良かった…(そもそも高山まで行くのが大変ですが)
江戸の情景 チェザリーニ
Views of Edo/Franco Cesarini
今回のお目当てその2。
当ブログでも過去に取り上げましたね!
初演動画をYouTubeで見てから、日本初演をずっと楽しみにしていました。
世界初演があった時期、バンドパワーでの樋口幸弘さんが連載している「ウインド交友録」でチェザリーニ1の日本初演の記事が上がったので、「2番もタッドがやるというフラグでは?」なんて推測していましたが、ほんとにそうでした。
世界初演時の編成がかなりのマンモス編成で、ホルンが8本くらいいたので、「50人だとどうにも迫力が減ってしまうかも??」と心配していましたが、杞憂でした!
普段の交響曲の演奏時、楽章間に競うように咳払いが聞こえてきていつも気になるのですが、この日は客席側からほとんど咳払いが聞こえてきませんでした。異様な緊張感があり、とても気持ちが良かったです。
演奏後、タッド先生から「まったく日本風の曲を書いたおかしなスイス人」呼ばわりされるチェザリーニ…壇上ではタッド先生と握手ハグし、嬉しそうな顔をしていました。
アンコール
祝典行進曲 團伊玖磨
上皇・上皇后両陛下のご成婚パレードでお馴染みのマーチ。タッドのアンコールはいつも2曲であることが多いのですが、今回は「陛下に敬意を表して」この1曲のみでした。
前半のリシルドと合わせて、タッドって品のある曲との相性いいな…という気付きが得られたアンコールでした。
まとめ
ヨーロッパ色と日本色、古典と現代が混じりあったような演奏会でした。
タッドの演奏会は「知っている曲を聴きに行って、知らない曲に惚れて帰ってくる」という、理想のような演奏会。毎度のことながら選曲も演奏も見事なので、次回はもっとお客さんの入りが多くなって欲しい…と思っています。