トーマス・ドス「REM-scapes」
「なんだこの曲!!めっちゃかっこいい!!」
台風19号が関東から過ぎ去った土曜日の夜、筆者はYouTubeである動画に遭遇しました…。
ヨーロッパ吹奏楽ファン御用達?の、VLAMO(フランダース・アマチュア音楽協会)の公式チャンネルより、2014年ブラスバンド選手権の動画であります。
曲はトーマス・ドス作曲「REM-scapes」。
「REM。レム?ってなんだ?レム睡眠しか思いつかないぞ」
で、楽譜販売サイトMusic Shop Europeの楽曲解説を読んだら、本当にレム睡眠のREMでした。
REM-scapes -Music Shop Europe
曲が始まると、そこは静かな不思議空間。
寝息を立てていますね…時折いびきも聞こえてきます。ノンレム睡眠の最中でしょうか。
ベートーヴェンの「月光」のテーマが組み込まれているんですね。
(だからそういうの言われないと分からないんだって!!)
そういえば副題にも”…some moments for Ludwig van…”って書いてあった。
いきなりアルトホルンが咆哮を上げ始めます。レム睡眠のお時間です。
ラテン音楽っぽい陽気なリズムの上で、非常に荒々しい音楽が繰り広げられます。
激しい拍子の変化。徐々に早くなるテンポ。ドラムセットのハイハットがスパイスを効かせ。
1つ目の山場を迎えたのち、グロッケンの音で静かさを取り戻します。
音量落としつつ、テンポは保ったまま、次の場面へ。
星の瞬きのようなコルネットの細かい音型に被さるように、中低音の広がりあるハーモニーが響きます。
グロッケンが1番上ですべてを司っている感じが超カッコいいです。
バンド全体で再び盛り上がりを見せたのち、曲はテンポを落とします。
ビブラフォンの優しい音色に導かれ、フリューゲルホルン、各楽器トップたちの掛け合いが始まります。
金管楽器の醍醐味、勇ましさとやさしさの共存する音色をたっぷりとお楽しみください。
低音楽器のハーモニーが美しい…
と思っているところに、再び唐突にアルトホルンの咆哮がぶち込まれます。
ビブラフォン、ドラム、ステージ上は思いっきりジャズセッションモード。そう来たか!
トロンボーンがめっちゃノリノリで気持ちよさそう。
14:37~、ビブラフォンとユーフォニアム?のユニゾンが超カッコいい!
徐々にシリアスな雰囲気を取り戻したか?と思うと、またジャズセッションへ。
一通り騒ぎ終えると、ステージには冒頭の静けさが帰ってきます。ノンレム睡眠が来たか…?
終わってなかった。荒ぶるパーカッションとバリバリの低音で飛び起きる。
ビッグバンド風のカッコいいハーモニーで曲は幕を閉じます。
別のバンドの演奏動画も。
ラストのバスドラムの荒ぶり方にご注目!
久しぶりに「きゃー!超カッコいい!イケメン!(???)」って感じの曲に出会えて嬉しいです。
既に今5~6回目を聴いています。
いや本当にカッコいいな???
ブラスバンドの曲だから日本ではあまり演奏されることはないのかなあ…
今ツイッターで「rem-scapes」で検索しても日本語のツイートはほとんど出てこないですね。
演奏されるときは、どうかご一報ください。
あ、そうだ、ドスと言えば、もう1つ聴いてほしい曲が。
タイトルは「Fanfare for the Best」
まるでジョン・ウィリアムズのような輝かしいファンファーレ。
(ドスはウィリアムズの下でスタッフとして働いていた経験もあったそうで)
実はこの曲、ドスと同じMitropa Musicという出版社から楽譜を出している作曲家、オットー・M・シュワルツの50歳の誕生日のために書かれた曲なのです。
副題には「…for the next 50…」というテキスト。
…いや…何というか…この感情をどこにぶつければいいのか…
ちょっと検索かけたら、シュワルツは「For The Next Thousand」という作品を作曲していたんですね。
粋、…のレベルを超えているな。トーマスドス、恐ろしい子…。
以上、珍しくトーマス・ドス特集?でした。