12/3 フランダース・リコーダー・カルテット

12/3(月)
フランダース・リコーダー・カルテット 日本最終公演@東京文化会館小ホール

へ行って参りました。

 

短く感想を述べると、
「ルネサンスも現代音楽もジャズもポップスも全部良い」「初めて公演に行ったけれど、活動終了が本当に惜しい」
という感じです。

 

公演を知ったのは「アーツフランダース・ジャパン」のサイト。

 

フランダース・リコーダー・カルテット(以下FRQ)の存在は、ヴァンデルローストのリコーダーのための作品”Contrasto Grosso”や”I Continenti”を委嘱した四重奏団、として知っていました。

 

facebookを閲覧したところ、当日のプログラムに”I Continenti”も入っているではありませんか!

「これは行かねば」と、至急チケットを購入。

A席6000円。今年行った演奏会の中で一番高額じゃないか。

 

さて当日。

客層としては、リコーダー教室やサークルの生徒さん達が集まっている様子。

 

開演前から、ステージ上には何本ものリコーダーが置いてあり、写真を撮る人もいました。私も便乗して撮影。

 

開演時間になり、4人がステージに登場。

 

オープニングはルネサンスリコーダーで、16世紀の作曲家・アシュトンの「仮面 」”Maske”。

筆者はルネサンス音楽に詳しくは無いけれど、そのスタイルが大好きです。この曲も例に漏れずとても素敵な曲でした。

 

2、3曲目は、こちらもルネサンスリコーダーによる演奏。

FRQのメンバー・スパンホフの教え子、カンポの作品「瞑想」”Meditation” と「炎」”Fire”。
どちらも2015年作曲。リコーダーにも現代曲が存在するのかと驚き。

 

ここからはバロックリコーダーで、バッハのパッサカリア(BWV582)、ピアソラの「オブリヴィオン」、プリマの「シング、シング、シング」。

2.3mのコントラバスリコーダーが活躍。癖のないファゴットというか、弦のコントラバスにリコーダーの音色を合わせたというか(そのまんまだ)、癒しの音色。

 

シング×3はバンド演奏と違ってひたすらクールでスマートな演奏。演奏しながら軽くステップを踏んだりして、とても楽しい1曲でした。

 

前半最後は、元メンバーの吉嶺氏独奏で、バッハのシャコンヌ(BWV1004)。

これぞ魂の演奏!客席全体が静かに演奏に聴き入っていました。

 

後半はFRQ+吉嶺氏の五重奏で、まずワーロックの「カプリオール組曲」、ヴィヴァルディの「”四季”より”冬”」を演奏。

カプリオール組曲は一般のリコーダーサークルでもよく演奏されている定番曲のよう。

四季は吉嶺氏がヴァイオリンソロのパートを、FRQの4人が伴奏を担当するスタイルで、非常に面白い演奏でした。

 

プログラム最後は、待ちに待ったヴァンデルローストの組曲『大陸』”I Continenti”。

アジアの尺八の音、熱帯の鳥が鳴く南米、オセアニアに広がる海、アフリカの舞曲。
リコーダーを普通に吹くだけでなく、ウインドウから息を吹き込んだりするなど、楽器を余すところなく使った滅茶苦茶な曲(ほめてる)。
生演奏を聴けたのが幸運でしかありません。
今回は第4楽章「北アメリカ」がカットされていたのが残念。

 

アンコールはコントを交えて、「カルメン」に始まり「チャールダーシュ」「大きな古時計」「ピンクパンサー」など5曲(曲名不明が1曲)を演奏する大サービスっぷり。楽しい雰囲気に包まれて公演が終了しました。

 

「日本最終公演」なのに「また来たい!」と思ってしまうのがとても悔しい。活動終了後も、彼らのそれぞれの道での活躍を祈っています。

 

誰か、彼らに続きそうなリコーダーのグループ、教えて下さい。

 

 

花月こころ

花月こころ

ベルギー近現代音楽が主な狩場。最推しはヴァンデルローストとポール・ジルソン。ブラスバンドでコルネット。

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